1.インプラントとは??
歯科におけるインプラントはデンタルインプラントのことをさし、チタンやチタン合金で造った人工の歯根のことです。
インプラント治療は治療が不可能なほど大きい虫歯になったしまった、歯や歯根が破折してしまった。先天的に永久歯が欠如していて歯の生えかわりが無く乳歯のままであったものが年齢を重ねてダメとなったなど 様々な理由により抜歯せざるをえない場合に歯の無いところに人工の歯をつくる治療法の一つです。手術により顎の骨に直接インプラント本体を埋入させ骨と結合させます。その後インプラント本体へ上部構造と呼ばれる芯と歯に相当する人工の歯をつなぐことで天然歯と同様に噛めるようにします。
他の治療法である入れ歯やブリッジとは異なり、前後の歯や歯茎に負担をかけることがないのが特徴です。インプラント治療は手術ですので、入念な治療計画が必要です。そのため入念なカウンセリング、精密検査を行い、患者さんのお口の状態に合ったインプラントの治療計画を立て、インプラント治療を行います。
2.インプラント治療のメリットと注意点
インプラントのメリット
・自分の歯のようにしっかり噛める:顎の骨と直接結合するので、自分の歯のようにしっかりと噛むことができます。入れ歯のようにズレることもないので、しっかりと食事をすることができます。
・周囲の歯に負担をかけない:インプラントは、失った歯のみを治療するため、ブリッジ治療のように健康な前後の歯を削る必要がありません。また、インプラント部位が新たな支持構造となり前後の歯にかかる負担を軽減できます。特に奥歯の場合しっかりと噛み合わせを支え、全体の噛み合わせを守ります。
・見た目が自然で清掃性が良い:保険の入れ歯やブリッジ治療では針金部分が見えたり、大きく笑ったときに銀色がみえることもありませ。単冠の場合は特に天然歯と同じようにデンタルフロスにより清掃することができます。
インプラントの注意点
・治療期間が長い:インプラントと顎の骨が結合するまで2~6ヶ月ほどの期間がかかります。骨が結合するまでは人工の歯の部分(上部構造)を造ることはできません。
ただし、前歯など見た目に関わる部分に関しては仮歯を接着して装着します。
・保険診療ではない:インプラントは、保険適用外のため、自費診療となります。しかし、虫歯や歯周病という病気によって歯がなくなってしまうので医療費控除の対象となります。
・手術が必要:インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋め込む手術となります。麻酔を使用しますが、痛みや腫れなどのリスクがないわけではありません。また、お口全体の状態や全身状態、お薬の服用状態によっては適応とならない場合があります。
3.ブリッジ・取り外しの義歯(入れ歯)との違い
ブリッジ治療との比較
インプラント治療とブリッジ治療の違いは、
・ブリッジ治療は前後の歯を削る必要がある
・インプラントは手術が必要だが、ブリッジ治療は手術の必要がない
・前歯において骨の状態次第ではブリッジ治療の方が見た目がいい場合がある
お口の状態、身体的な状態によっては、インプラント治療よりブリッジ治療の方が優れているケースもあります。また前歯の欠損の場合、もともと生えていた歯や隣り合う歯の角度が悪い場合ではむしろ審美補綴治療のブリッジ治療の方がよりきれいになるケースもあるので、骨の状態、もともとの歯並び、歯の角度によるなどをしっかりと検査してもらってから歯科医師と相談しましょう。
入れ歯との比較
インプラントと入れ歯の違いは
・入れ歯は異物感を感じやすい
・入れ歯は噛む力がインプラントと比べると大幅に弱くなる
・保険治療の場合、見える部分に入れ歯は針金(クラスプ)が見えてしまう
・どんな方でも入れ歯は適応できる
粘膜面で噛む力を受け止める入れ歯では天然の歯以上の咬む力出すことができません。しかし、お口の状況や全身状態、お薬の服用状態などインプラント手術が適応でない場合もあります。ブリッジも支えとなる歯がないと治療ができませんが取り外し式の入れ歯は基本的にはどなたでも作ることができます。また、自費診療においては金属の維持装置が無い審美的に優れたノンクラスプデンチャーや違和感を少なくするタイプの義歯もありますのでご相談くださ
い。
4.インプラント治療は一般的な場合以下のような流れになります。
1.カウンセリング・CT撮影による診断とシミュレーション
インプラントのメリットデメリットをしっかりと説明した上で患者さんとカウンセリングを行なっていきます。
その上で患者さんの見た目、機能面でインプラント治療が適応かどうかを決めていきます。インプラントは骨と結合する必要がありますので歯科用CTを必ず撮影して、入念にシミュレーションを行います。十分な骨の量や距離がない場合は出来ない場合があります。
2.インプラント一次手術
インプラント本体を顎骨に埋入する一次手術を行います。局所麻酔を行い、歯茎を切開し、顎の骨に穴を開け、インプラント体を埋め込みます。その後 切開部分を縫合します。
次の二次手術までの間に、インプラント体が骨と結合するまで、約2~6ヶ月待ちます。
3.インプラント二次手術
二次手術は局所麻酔を行い、歯茎を少し切開してインプラント体を露出させた後、アバットメントと呼ばれる接続部を装着します。
場合により歯肉の形態改善する手術を歯肉形成と同時に行います。
4.型とりとインプラント上部構造の装着
いわゆる被せ物の治療です。インプラント周囲の歯肉の状態が落ち着き、インプラント体の骨との結合が問題なければ、上部構造製作の為の型取りを行います。完成後は装着し細かい噛み合わせの調整を行います。
ノエルデンタルクリニックでは、治療前にCTデータを元に入念なシュミレーションを行い、安心できるインプラント治療を提供しています。
5.インプラント治療前後における注意事項
インプラント治療は自分の歯のように噛めて最高の治療ですが注意事項もあります。
定期的なメンテナンスが必要
インプラントは治療して終わりではありません。定期的なメンテナンスを怠ってしまうと、天然の歯と同じように炎症である歯周病、インプラントの場合はインプラント周囲炎になります。しかも歯周病に比べて、炎症が進行するスピードがインプラント周囲炎の方が速いです。よってインプラント治療後は必ず定期的なメンテナンスを受ける必要があります。インプラント部位は通常の金属のチップでの超音波による清掃は望ましくないため メンテナンスの際にはオプションのPMTCが必須となります。
歯並びを改善したい場合は矯正治療からスタートする
インプラントは骨と結合してしまうので 天然歯のように矯正力をかけても動かすことはできません。 矯正治療の希望がある場合は矯正治療を先行させてある程度終わりに近づく時期でないとないとインプラントを埋入する理想的位置が定まらない為することができません。矯正治療の希望がある場合は基本的には矯正治療を始めます。
フッ素無配合の歯磨きペーストの使用の推奨
近年インプラント体の表面とフッ素の相性が良くないことから、フッ素の入ってない歯磨きペーストの使用を推奨しています。
このようにインプラントには注意事項もあります、インプラント治療には、時間、費用、身体的負担などのデメリットがある場合もあります。患者さんの年齢、お口や持病の状態、次第はインプラントよりもブリッジ治療や入れ歯の方が良い場合もあります必ずカウンセリングの際に、メリット・デメリットやどういった治療を受けるのかしっかり相談しましょう。
6.ノエルデンタルクリニックでインプラント治療を受けた患者さまの声
ノエルデンタルクリニックで治療を受けられた患者さまの声を一部、ご紹介させていただきます。
【体験談:保険診療のブリッジ後の負担による上顎奥歯の再治療が必要となった患者様】
右上の奥歯のブリッジをしていましたが、ブリッジの支えとなっている手前の歯が保険診療のブリッジの負担によって、大きな虫歯になってしまった患者様です。
ブリッジの負担によってできたむし歯をなんとか全て除去し、歯の寿命を左右する、歯の神経をとることはまぬがれました。
しかし、また同じブリッジにしては、むし歯が再発、さらに他の歯にも負担がかかるため、インプラントをお勧めしました。
インプラント治療はブリッジのように前後の歯を削る必要がないため、長期的に歯の健康寿命を伸ばすことができます。
ただし、この患者様の場合は、歯ぎしりが著しく、ナイトガードという歯ぎしり対策をしました。
歯ぎしりがあると、インプラントだけでなく、歯全体がすり減ったり、突然、歯が割れるといった悪影響を及ぼします。
ましてや歯ぎしりがあると、ブリッジの寿命は短くなり、結果的に前後の歯2本を失ってしまう可能性があります。
こちらの患者様は歯ぎしり対策を行っておりますので、インプラントも長持ちしておられます。
このように、当院では噛み合わせをみて、歯ぎしりに対する治療も行っております。
【体験談:昔受けた前歯の治療後に歯が折れ、インプラントをすることになった患者様】
他院でインプラントをしたものの、歯茎が下がってしまった、というケースがあります。
今回の患者様は抜歯直後にインプラント手術を行いましたので、歯茎も下がらずに綺麗な歯茎、歯を維持されております。
インプラントが骨に定着するためには、6ヶ月かかりますが、状態によっては早く治る場合もあります。
定着するまでの間は被せ物ができないため、仮歯を透明な接着剤で隣の両隣の歯に固定させました。仮歯のため、被せ物ができるまで何度か外れてしまうこともありましたが、食事の際に気をつけていただき、無事にインプラント治療を終えて、今では見た目も噛むことも問題なくすごされております。
当院では骨に置換される安全な骨補てん剤を使用しており、インプラント治療を安心して受けられます。