1.妊婦さんへ
妊娠中は、心も体も大きな変化を経験する特別な時期です。そしてお口の中は、ホルモンバランスの変化、つわり、食べ物趣向の変化などによって悪化しやすくなります。
実は、妊娠中は虫歯や歯周病になりやすくなります。ですが、
「赤ちゃんへの影響が心配」「痛い治療は苦手」「時間がない」という理由で、妊婦さんはついつい歯医者さんの受診を敬遠してしまいがちです。
当クリニックは名古屋市妊産婦歯科診査協力歯科医療期間として、妊婦さんの治療を行っています。妊婦さんの状況にあわせた治療、ケアを行うことで、安心してお口の健康を守れるマタニティライフを過ごすことができます。
当クリニックでは、名古屋市の妊産婦歯科診査を実施しております。
※妊産婦歯科診査へのリンク
https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000131557.html
2.妊娠中に起こる口腔内の変化
妊娠中はお口の環境が悪化しやすい状況になります。特につわり、女性ホルモンによる変化はどういったトラブルが引き起こされるのか、知っておきましょう。
<つわりによって引き起こされるトラブル>
つわりによって、お口の中が酸性に傾きます。お口の中の環境が酸性に傾くと、歯の表面のエナメル質が溶かされてしまい、虫歯になりやすくなります。さらに、歯磨きもつわりでできない妊婦さんもいらっしゃいます。こういったことから虫歯リスクがとても上昇しやすくなります。
<ホルモンバランスによって引き起こされるトラブル>
妊娠中は女性ホルモンのバランス変化で以下のような変化が引き起こされます。
・唾液量の減少:唾液量が減少すると、口の中がネバネバして口臭が強くなったり、口腔内の細菌が増え、むし歯や歯周病のリスクが高まったります。
・歯周病のリスク増加:妊娠中期から後期にかけて、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加します。エストロゲンは特定の歯周病原細菌の増殖を促進するため、歯周病が進行しやすくなります。また、プロゲステロンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激するため、歯肉の炎症を引き起こしやすく、歯周病を悪化させます。
・虫歯のリスク増加:ホルモンバランスの変化によって唾液の量が減少するため、虫歯菌が増殖しやすくなります。さらに唾液のpHが酸性に傾くので、虫歯が進行しやすくなります。
3.マタニティ期の口腔管理の重要性
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンの増加により、歯肉の炎症が起こり、妊娠性歯肉炎が引き起こされやすいです。この妊娠生歯肉炎の予防と管理を当クリニックでは行っています。
妊娠性歯肉炎は放置すると深刻な歯周病へ進行する可能性があるため、マタニティ期での早期発見と適切な管理をすることで予防できます。
また、歯周病はお口の中だけでなく、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があります。また、歯周病菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するリスクも指摘されています。お腹の中の赤ちゃんを守るためにも、マタニティ期の口腔ケアは極めて重要です。
虫歯治療
当クリニックで歯科では、マタニティ期の妊婦さんにとって必要な治療を受けることができます。
虫歯治療
妊娠中の虫歯を予防することが重要ですが、それでも進行してしまうことはあります。
その際に、麻酔はしてくれるのか?レントゲンは撮影するのか?など妊婦さん特有の不安があると思います。
妊娠中の虫歯治療は必要な場合はできる限り、胎児に影響が少ない妊娠中期に行います。痛みがあったり、虫歯が進行したりして、麻酔が必要になった場合は、胎児に影響がないとされている麻酔薬を安全量で使用します。またレントゲンに関してはリスクを判断して必要なときのみ撮影しますが、撮影せずに治療することもあります。なるべく、レントゲン撮影が必要である段階まで虫歯が進行しないように定期検診を受けておくことが、妊婦さんにとって必要となります。
歯周病治療
プラークコントロールを行い、歯周病を予防することがマタニティ歯科では重要となります。歯周病が進行すれば、腫れたり、膿んだりしてしまい、薬の処方が必要になってしまうことがあるからです。基本的には妊婦さんには薬は処方しませんが、妊婦さんの状況に応じて最低限の処方をすることがあります。。まず、正しいブラッシング方法の指導を行い、妊婦さんにあったセルフケアを伝えます。そして、定期的なスケーリングとルートプレーニングを行って、歯石や歯垢の除去することで、お口の中の細菌を減らし、歯周病だけでなく、胎児への影響を減らします。PMTC((歯石除去・歯面清掃)もとても効果的な方法です。
赤ちゃんはもちろん、お母さんの生涯の健康をまもるためにも当クリニックを利用して、口腔内の健康だけでなく、全身の健康も守っていきましょう。